2018-01-01から1年間の記事一覧

ゴールデンウィーク前日~雪也 月也 薫 6

そして始まる写生会。 死んだ目をしたまま、リクエストされた壁ドンポーズをとる雪也と月也。 さらに細かい注文が入る。 『奏君、左手で葵君に顎クイして♡ そして、目線は斜め後ろで!』 『葵君は、唇を少し開けて♡ 目を潤ませながら、奏君を見つめて♡』 『…

インターミッション~月也

奏 月也(かなで つきや) 学年クラス……中3 / B組 誕 生 日……10月10日 血 液 型……O型 身 長……168㎝ 部 活……合気道部 趣 味……パズル 謎解き 得 意 科 目……数学 理科 苦 手 科 目……国語 好きな食べ物……肉料理全般 苦手な食べ物……特に無し 得 意 な 事……すぐ…

ゴールデンウィーク前日~雪也 月也 薫 5

期末の定期試験が終わり、結果はまだ出ていないものの、後は夏休みを待 つばかりとなったある日の昼休み。 前回の事を踏まえ、学習した雪也と月也は、漫研の部長に掴まらないよう にグラウンドに出て、同じクラスの男子達と、サッカーの真似事をして遊 んで…

ゴールデンウィーク前日~雪也 月也 薫 4

部室へと向かう廊下を歩いていると、後方からパタパタと走って来る足音 が聞こえた。と同時に、 「雪ちゃん、月也、待って~。置いて行くなんて酷い!」 の声。 月也と雪也は立ち止まり、振り返る。見ると、道着に着替えた薫がポニー テールを揺らしながら…

ゴールデンウィーク前日~雪也 月也 薫 3

放課後、合気道部の男子更衣室。 雪也と月也は、制服から道衣に着替えていた。既に一級を取得している二 人の帯の色は茶色だ。 因みに薫も一級を取得している。武闘派腐女子だ! 「大体さぁ、小テストで長文問題出すって有り得ないよなぁ!普通、漢字の 読…

ゴールデンウィーク前日~雪也 月也 薫 2

昼休みが終わり、五時限目の授業で国語の小テストを受ける雪也達。 国語の苦手な月也は、早くも苦戦していた。 “この時の作者の気持ちは?” という問題に対し、月也の答えはというと、 (知るかそんなの!『締め切りマジでヤベェ!』じゃねぇのか⁉) という…

ゴールデンウィーク前日~雪也 月也 薫

相馬のマンションに移ってから、昨夜までの事を思い出していた雪也。 月也を安心させられたのは良かったが、雪也自身は、度々 “貞操の危機” に 晒されている。が、流石にそこまで話してはいない。 せっかく安心して『良かった』と言ってもらえたのに、話し…

インターミッション~雪也

葵 雪也(あおい ゆきや) 学年クラス……中3 / B組 誕 生 日……10月10日 血 液 型……AB型 身 長……165㎝ 部 活……合気道部 趣 味……合気道 得 意 科 目……数学 英語 美術 苦 手 科 目……音楽 好きな食べ物……和食全般 具沢山ポテトサラダ 苦手な食べ物……セロリ 得 …

雪也の攻防戦~6

相馬と雪也のLINEの遣り取りに、呆れる涼介。主に相馬に対してだが。 「ウザいってなんだ、 これ位普通だろ⁉」 「普通じゃないだろ。大体『可愛い』とか言われても、嬉しくないし」 「僕、涼介の事『可愛い』なんて0.1ミリも思ってないよ?」 「当たり前だ…

雪也の攻防戦~5

嫁好きを拗らせている久遠専務に言われ、取り敢えず相馬の元に向かった 涼介。 相馬の落ち着きがない原因など、一つしかない。雪也の事だ! 支社長室に着き、扉を二回ノックする。 「失礼します」 その声に怒気を感じることはなく、静かだ。 扉を開けて入室…

雪也の攻防戦~4

「各務君、ちょっといいかな?」 相馬が雪也に携帯を渡してから一週間程過ぎた頃、会社の廊下で専務に呼 止められた涼介。 「久遠専務…、はい、何でしょうか?」 久遠は、年の頃は五十代前半で、なかなかの切れ者だ。本来ならば、本社 の重役になっていても…

雪也の攻防戦~3

雪也が相馬のマンションへ引っ越して二、三日経った頃、相馬から新品の スマホを渡された。 「雪ちゃん、コレ持ってて」 「携帯…ですか」 「そう、雪ちゃん持ってなかったよね。今時の小学生だって、持ち歩いてる っていうのに」 「すみません。今迄、必要…

雪也の攻防戦~2

ある日、雪也は晩ご飯の席で、相馬と涼介に出会った時から気になってい た事を聞いた。 それは、二人の関係性だ。涼介の相馬に対する態度や言葉使いは、どう見 ても上司と部下という感じではない。 では恋人同士なのかというと、そうでもないらしい。そもそ…

雪也の攻防戦

相馬のマンションに移り、数日が過ぎた。 その間もいろんな出来事があった。例えば、体力テストの日の朝、朝食の 席で雪也がいつもの制服ではなく、ジャージ姿に気付いた相馬は理由を聞 いてきたので話すと、会社を休んで学校に行くと言い出した。 「僕がい…

雪也と相馬そして涼介~8

荷物の運び入れや買い出しがひと通り終わり、一息つく雪也。 と、そこへ涼介が言った。 「もうこんな時間か。腹減ったな、飯にしようぜ」 「そうだな、食べに行くか。雪ちゃん、何が食べたい?」 「…えっと、簡単なモノで良ければ、俺作りますけど」 先程の…

雪也と相馬そして涼介~7

とりあえず、身の危険は無くなった雪也だが、相馬との攻防戦で、激しく 気力、体力共に消耗させられていた。 (合気道の試合でも、昇級試験でも、こんなに疲れること無かったのに…。 何だろう、このもの凄い精神的ダメージは) はぁ~、と大きな溜息が漏れ…

雪也と相馬そして涼介~6

話を逸らして、誤魔化す気なのかと思ったが、どうやら違ったらしい。 逃げねば!… だが、どうやって? あっさりと捕獲された雪也は、自分の 迂闊さを呪った。 「あの、相馬さん」 「何? 雪ちゃん♡」 「俺にはまだ早いと思います」 「そんな事ないよ。僕の…

雪也と相馬そして涼介~5

あからさまに離れていく雪也に、相馬はショックを隠し切れず訴えた。 「雪ちゃん、君、僕の事 “男なら見境なく襲う奴” だと思っているでしょ? それ誤解だから」 「あっ、そうですよね。相馬さんなら相手に困る事なんて無いですよね。何 か…すみません、不…

雪也と相馬そして涼介~4

涼介の話と蒼子の言葉に、雪也の脳内は絶賛修羅場中。 しかし悪い事ばかりでは無かった。 例えば報酬金額、月五千円でいいと言う雪也に、相馬と涼介は、それでは 少なすぎると、家事全般に対する妥当な金額を提示してきた。 提示された金額は、子供の雪也に…

雪也と相馬そして涼介~3

涼介の、衝撃告白第2弾を受けた雪也。 「……………………………………………………はい? え、つまり…⁉ 相馬 さんは、ホ○⁉」 「正解~、だから雪也君、君もしっかり自衛して!」 「でも、俺が此処に来たのは、住込みのバイトの為で、相馬さんにも恋愛感 情的なものは一切ない…

雪也と相馬そして涼介~2

涼介の衝撃告白の後、リビングに移動した三人。 雪也と相馬の、廊下での出来事を聞いた涼介は言った。 「はぁ~、なるほどね。その遣り取りの真っ最中に俺が割って入った、て事 か。でも雪也君、雪也君には悪いけど、俺も相馬の言う通りだと思う」 「…そう…

雪也と相馬そして涼介

涼介の蹴りを、間一髪のところで躱した相馬は、勢い余って向かいの壁に 頭を強か打ちつけ、余りの痛さに両手で頭を抱えてしゃがみ込む。 「ヒドい!涼介」 「黙れ、変態!年端もいかない、こんな小さな子に何するつもりだったんだ このケダモノ犯罪者、変質…

雪也と相馬~5

取りあえずの片付けが終わり、綺麗になったリビングで、雪也と相馬の 話合いが始まる。 「給食費って、今ひと月いくら?」 「五千円です」 雪也の答えに相馬は、うなづき、何か考えている様だった。が、突然雪也 ににっこりと笑いかけながら言った。 「とこ…

雪也と相馬~4

ゴールデンウィーク前日、学校の休み時間、雪也が日直日誌を書いている と、月也が声をかけてきた。 「雪也」 「ん~⁉ 何」 返事しながらも、書き込み続ける。つい先日まで、少し硬い表情ばかり浮 べていた雪也が、今は前より少し柔らかくなった気がする。 …

雪也と相馬~3

相馬の言葉に、雪也は顔を上げ聞いた。 「相馬さんの会社に、俺を雇って貰えるって事ですか?」 「まさか! そんな事したら、労働法違反で僕犯罪者になっちゃうから。 それは無理!」 「えっ? え、それじゃあ…」 「うん、だから僕と個人契約して、住込みで…

雪也と相馬~2

夕食後の応接間。藤堂と荘子、雪也の三人で、給食費について話し合う 事になった。 お金の出費に関しては、雪也の想像した通り“保護者の義務”を持ち出して きたが、ここで引き下がる訳にはいかないので、正直に話した。 “義務”など感じて貰いたくない事と、…

雪也と相馬

金曜日の朝六時、雪也は家政婦の とわ子さんと共に、藤堂家のキッチンに 立っていた。 前に住んでいたアパートと違って、藤堂家から学校まで距離があり、自転 車でも六時三十分くらいには家を出ないと、部活の朝練に間に合わない からだ。 とわ子さんは、一…

雪也 月也 薫~5

三分後、薫の脳内羞恥プレイから解放された雪也が、無事生還。 尚、竹井先生に至っては、まだ回復の兆しが見えないもよう。 それもそのはず、普段から薫のBL話や薄い本の強制読書を強いられ、免疫 のある雪也でさえ、耐え難い事だったのに、普通の一般人に…

雪也 月也 薫~4

雪也に叩かれた薫は、不満気に言う。 「雪ちゃんヒドい!」 「酷いのはどっちだ。勝手に人をホモにすんな!」 「ホモではなく、ボーイズ ラブ です♡」 「ヤッてることは同じだろうが」 「雪ちゃん、キレイな顔で下品な…、私の中での雪ちゃんは『受け』一択…

雪也 月也 薫~3

雪也と月也、そして薫の三人は、担任の竹井を一斉に見た。 「先生! いつの間に…てか、どこから聞いていたんですか?」 自分のBL妄想全開しているところを、見られた薫は、驚いて聞いた。 竹井先生は、少し答えずらそうに、答えた。 「…その青年教師は前々…