雪也 月也 薫~3

      雪也と月也、そして薫の三人は、担任の竹井を一斉に見た。

 「先生! いつの間に…てか、どこから聞いていたんですか?」

    自分のBL妄想全開しているところを、見られた薫は、驚いて聞いた。

    竹井先生は、少し答えずらそうに、答えた。

 「…その青年教師は前々から、かな」

 「最初から⁉ イヤァァ恥ずかしい‼」

 (バレた‼ 雪ちゃんと月也以外には、腐女子なの隠してたのに。最悪)

 ((先生、気の毒に……そして薫、お前は自業自得だ!))

    薫は机の下に潜ってしまい、雪也と月也は竹井先生に同情しながら、呆れ

    た様子で薫を見た。

 「先生、俺に話って何ですか?」

    受持ちの生徒が腐女子と判明した事と、自分が妄想で遊ばれてる事の二重

    のショックからまだ立ち直れていない担任に、雪也は声をかけた。

 「あ……、雪也。そうだ、雪也ごめん! ごめんなぁ。俺、あの時お前を守

    ってやれなくて、本当にごめん!」

 「ちょ、ちょっと先生」

    雪也の声で我に返った竹井先生は、雪也に抱きついて来た。

    竹井先生の言う『あの時』とは、藤堂が役所や学校関係者を連れて、雪也

    の家に来た日のことだと分かった。

    あの日、はじめの頃竹井の姿はなく、後から慌てた様子で、雪也の家に

    飛び込んで来た。そして、『自分が雪也を引き取る』と言ってくれたの

    だった。

    他にも、アパートの大家さんが『雪也が社会人になるまで無料、もしくは

    自分の所に住めば良い』と提案してくれた。

    結局、この二人の申し出は受け入れられなかったが、心底この二人の存在

    は雪也にとって、ありがたかった。

 「せ  先生、ちょっと、ちょ…先生! 離れて下さい! 薫が喜んじゃいます

    から!」

    雪也の言葉にハッとなり見ると、薫はいつの間にか机の下から出て、もの

    凄い勢いで、スケッチブックにペンを走らせていた。しかも、

 「イイ  イイわぁ、ハァ  ハァ そこ、そのまま一気に机の上に押し倒して、

    ハッ ハッ、恥ずかしがる雪ちゃんの制服を丁寧に脱がして、Yシャツの

    ボタンを外すと、ハァ ハァ ハァ露わになる白い肌、そしてそのあまりの

    滑らかな美しい肌にハッ ハァ、興奮を抑えられない青年教師は、性欲の

    赴くまま 雪ちゃ イタい!」

 「妄想で俺を弄ぶのヤメロって言ったばかりだろう」

    ブツブツと妄想を呟いていた薫は、雪也に思い切り頭を叩かれた。